燃費を如何に良くするか、運転の利便性、安全性を上げるのはどうするかが今車に問われている。その課題を解決する為にカーエレクトロニが大きな役割を持ってきた。そして制御をつかさどるソフトウエアが重要さを増してきた。
そのソフトウエアは1000万行、ECUは100個という時代に突入しようとしている。
そして今、各ソフトウエアを連関して作用させようという開発が進んでいる。その為には、標準化されたOSが必要になる。
制御系のOSは欧州から、情報系のOSは米国からという大きな流れの中で、今まで培った日本の精密なソフトウエアを組み込ませるかが開発のポイントとなっている。車の価値を決めるのはアプリケーションソフトウエアである。それが発揮できるベースを作り上げなければならない時期にある。
本レポートは次のような観点で調査を試みた。
1)日本のナビソフトウエアの現状を分析し、日本のナビ地図及び世界のナビ地図の動向を分析した。PNDの市場拡大が地図市場に変革を 起こそうとしている。
2)車のネットワークを司る次世代の車載LANのFlexRayとそれに使われるAutosarの活動を分析した。バイワイヤーの時代にはソフトウエア の比重はさらに高まる。
3)情報系OSではMicrosoftのプレゼンスが高まっている。多機能、グローバル化の中でT-Kernelの可能性はどうか。
4)音声ソルーションでは多国語展開が加速している。カーナビ市場のグローバル化の現れである。音声認識はPNDでも採用され始めた。音 声ガイダンスは録音から音声合成の時代に入ろうとしている。
5)画像ソフトウエアが車の安全の主役に飛び出してきた。世界のOEMが開発を競っている。日本のカメラ技術を如何に活用できるかが問わ れている。
カーナビ、ナビ地図、OSと車載LAN、音声、画像処理のソフトウエアの世界の動向を把握することは、将来の車の行く末を推測できる。ソフトウエアという観点では世界は日本より一日の長がある。如何に世界のソフトウエア資産を有効に活用するかは、日本の自動車産業の優位性を保持し続けるキーとなる。
本レポートはこれらの視点で調査を試みた。関連市場各位のご参考になれば多大の喜びであり、且つご意見を賜ることを希望いたします。
目 次
第1章、日本カーナビゲーション市場 1
1−1、2007年カーナビゲーション市場展望 1
1−2、カーナビの新機能開発 2
<機能面> 2
<価格面> 3
<車両制御機能> 3
<次世代車両制御機能> 3
1−3、次世代カーナビのあるべき姿 4
1−4、トヨタディーラーオプション機能の分析 6
1−4−1、表示機能 6
1−4−2、検索機能 8
1−4−3、案内機能 9
1−4−4、AV機能 9
1−4−5、ヒューマンマシンインターフェース機能 11
1−4−6、テレマティックス機能 11
1−4−7、仕様他 12
1−5、市販ナビの機能分析 13
1−6、ITS車載ソフトウエア市場予測 17
第2章、日本カーナビゲーション地図市場 20
2−1、日本のナビ地図市場 20
2−2、ゼンリン 22
2−3、トヨタマップマスター 23
2−4、インクリメントP 24
2−5、ナビ地図採用動向 25
2−6、地図データベースマーケットシェアー 28
2−7、地図差分更新 30
2−7−1、トヨタ差分更新 30
2−7−2、ホンダ差分更新 31
2−7−3、日本デジタル地図協会DRM21 32
2−8、通信型ナビゲーション 33
第3章、世界ナビ地図市場 34
3−1、NAVTEQとTeleAtlasの事業分析 34
3−1−1、売上分析 34
3−1−2、地域分析 35
3−1−3、用途分析 35
3−2、ユーザー分析 36
3−2−1、Navteq 36
3−2−2、Teleatlas 37
3−3、NavteqとTeleatlasの地図カバー領域 38
3−4、地域別データベースマーケットシェアー 39
3−4−1、北米データベースマーケットシェアー 39
3−4−2、欧州データベースマーケットシェアー 40
3−4−3、アジアデータベースマーケットシェアー 41
3−5、TomTom/Teleatlasの戦略 42
3−6、Navteqの戦略 43
3−7、Googleの戦略 44
第4章、制御系ソフトウエア市場の動向 46
4−1、制御系ソフトウエアの動向 46
4−1−1、制御系OS 46
4−1−2、バーチャルプロトタイピングの普及 47
4−2、日本標準の開発 48
4−2−1、Toppers/OSEKの登場 48
4−2−2、ヴィッツのTTM、TTOS 50
4−3、各社のソフトウエア戦略 52
4−3−1、トヨタのソフトウエア戦略 52
4−3−2、日産のソフトウエア戦略 54
4−4、国際的な標準化活動(Autosar、FlexRayとJaspar) 55
4−4−1、欧州標準を日本標準へ 55
4−4−2、FlexRayの欧州標準と日本標準 56
4−4−3、Autosar 57
4−5、FlexRayの世界の採用動向 59
4−5−1、日本OEMのFlexRay採用の動向 59
4−5−2、欧州OEMのFlexRay採用の動向 59
4−5−3、米国OEMのFlexRay採用の動向 59
4−6、Jaspar 60
4−7、Autosar、FlexRayとJasparメンバー 61
4−8、各社の現状 64
4−8−1、ルネサス 64
4−8−2、NECエレクロトニクス 65
4−8−3、富士通 67
4−8−4、横河電機 68
4−8−5、dSpace 69
4−8−6、TTA 70
4−8−7、ETAS 70
第5章、車載マルチメディアOS市場 71
5−1、車載マルチメディアOSの世界の採用動向 71
5−2、PNDナビソフトウエアの動向 73
5−3、スマートフォンナビソフトウエアの動向 74
5−4、日本のカーマルチメディアOSの動向 75
5−5、MicrosoftのOS戦略 76
5−5−1、日本メーカーの取り込み 76
5−5−2、Windows Automotive v4.2 77
5−5−3、Windows CE5.0 77
5−5−4、Windows Automotive 5.0 78
5−5−5、Windows CE6.0 79
5−6、Linux 80
5−7、QNXソフトウエア 82
5−8、ウインドリバー 83
5−9、T-Kernel 83
第6章、車載用音声認識、音声合成市場 84
6−1、車載用音声ソルーション市場動向 84
6−1−1、音声認識市場 84
6−1−2、音声合成市場 84
6−1−3、カーナビ音声認識マーケットシェアー 85
6−1−4、カーナビ音声合成マーケットシェアー 86
6−1−5、音声合成採用モデル 87
6−2、音声ソルーションメーカーの海外言語対応動向 88
6−2−1、音声認識海外言語対応比較 88
6−2−2、音声合成海外言語対応比較 90
6−3、音声ソルーション市場マトリックス 92
6−3−1、国内音声認識市場マトリックス 92
6−3−2、海外音声認識市場マトリックス 93
6−3−3、国内音声合成市場マトリックス 95
6−3−4、海外音声合成市場マトリックス 96
6−4、音声ソルーション価格分析 97
6−5、海外音声ソルーションメーカーの研究 98
6−5−1、Nuance Communications 98
1)会社概要 98
2)車載向けユーザー 99
3)音声合成 99
4)音声認識VoCon 100
5)音声合成“Realspeak”について 101
6)ボイスコマンド“Nuance Voice Controls“ 102
7)Nuanceの優位性分析 102
6−5−2、Loquendo 103
1)会社概要 103
2)音声合成オートモーティブソルーション 103
6−5−3、Acapelaグループ 104
6−5−4、Fonix 104
6−5−5、SVOX 104
6−6、国内音声ソルーションメーカーの研究 105
6−6−1、旭化成 105
1)組織変更と業容拡大 105
2)ノイズキャンセラー、エコーキャンセラーのミドルウエアービジネス 105
3)カーナビ向け音声認識 106
4)PND向け音声ソルーション 106
5)音声合成開発 106
6−6−2、東芝 107
1)カーナビ向け音声合成 107
2)テレマティックス市場 107
3)音声合成の海外展開 107
4)音声合成製品 108
5)新製品“To Speak” 108
6−6−3、日立超LSI“RubyTalk” 109
6−6−4、アニモ 109
6−6−5、ケンウッド/アニモ 110
6−6−6、アドバンスドメディア 110
第7章、画像処理ソフトウエア市場 112
7−1、車載用画像システムの市場動向 112
7−2、プリクラッシュセイフティーシステム 115
7−2−1、トヨタ自動車 115
7−2−2、デンソー 116
7−2−3、NECエレクロトニクス 116
7−2−4、パナソニック 117
7−3、ブラインドスポットモニタリング 118
7−3−1、VolvoのBLIS 118
7−3−2、アイシン精機ブラインドスポットモニターシステム 119
7−3−3、NECエレクロトニクス“IMAPCAR” 120
7−4、トップビュー駐車アシスト 121
7−4−1、アイシン精機 121
7−4−2、デンソー 121
7−4−3、パナソニック 122
7−4−4、日本精機“全方位カメラ” 122
7−4−5、日産エルグランド 123
7−5、ナビ連動バックカメラアプリケーション 124
7−5−1、アイシン精機 124
7−6、ドライバーモニタリングシステム 125
7−6−1、アイシン精機 125
7−6−2、デンソー 126
7−6−3、静岡大学 127
7−7、画像認識プロセッサー 128
7−7−1、NECエレクロトニクス 128
7−7−2、ルネサス 129
7−7−3、東芝 130
7−7−4、デンソー 131
7−8、画像処理ソフトウエア開発ツール 133
7−8−1、コグネックス 133
7−8−2、リンクス 135
7−9、液晶モニター計器盤 136
7−9−1、メータークラスターの新しいコンセプト 136
7−9−2、東芝松下ディスプレイ 137
7−9−3、日立ディスプレイ 138
7−9−4、日本精機 140