今年のSAEは3月1日から4日の4日間デトロイトのCOBOセンターで開かれた。会期中雪がぱらついている日が多く、 デトロイトの冬の雰囲気が出ていた。
最終日には前夜の火災で煙が会場に充満し、午前中はキャンセルというハプニングが起きた。
相変わらず欧米の企業はドラスティックで、毎年常連であったルーカス、ITT,UTAといったビッグプレーヤーがM&Aの 嵐の中で消えてしまった。またエアバッグのブリードはシーメンスとの提携でBSRSという名前に変わった。
自動車メーカーもダイムラークライスラーの登場以来世界的な再編が進んでいるが、部品メーカーは一足早く再編 の中にあるといえる。日本の部品メーカーもさらなる効率の追求を要求されそうである。
今年のSAEの中で特に気がついたことについて次に述べ、30分のテープにまとめてある。
1、燃料電池車
燃料電池関係のセミナーは人が集まり立見が出るほどの盛況であった。世界中の研究者が燃料電池 の開発に邁進している姿がわかる。しかし、燃料電池関係の部品展示は見あたらず、まだ基礎研究の段階であることが理解できる。
2、ナビゲーション&コックピットシステム
デルファイ、ビステオンの展示の中では、ナビゲーション的な情報システムが目立った。
特にビステオンはインパネ回りの開発をいろいろな角度で展示しており、車の将来はヒューマンインターフェース の開発力で決まるという哲学が感じられた。 写真はビステオンのDMD(デジタルマイクロミラーディスプレー) と呼ばれるもので、音声等の指示でディスプレーが自由に高速に変わる。解像度は液晶に比べると見劣りするが、 2003年に投入の予定とのことで、自慢の音声認識と組みあわせて、どのような製品として市場に現れるか興味深い。
3、機電一体化モジュール
ECUとアクチュエーターの一体化モジュールで、ECUの小型化が見られた。エンジン、トランスミッション、ABS での展示である。基板はセラミックが使われているのが、日本とは違うアプローチである。また、実装はベアチップが採用されている。
4、データバス(車内LAN)
走行系のCANが米国でも採用になりつつある。
ITS DATA BUSはSAEがブースを設けて説明していた。既に世界の90%はサポートの方向と言うことで、 昨年に比べると既に標準は決まったと言う顔で説明していた。日本のメーカーもAMICの中で支持の方向とのことである。
また、スマートエアバッグでの複数のセンサーとECUを専用のデータバスで結ぶと言う考え方をボッシュ 等は提案していた。
各種データバスが共存するというのがこれからの方向のようである。
5、OSと開発システム
エンジンなどのソフトウエアーが32ビット時代に入り複雑になってきたのでオープンなOSの提案 が欧州でOSEKと言う形で提案されてきた。
これに賛同する開発ソフトのボッシュのETAS,半導体の モトローラ、検査のアプライドダイナミックス等が展示していた。




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